この記事の要点
- 事故後に首・肩・腕の痛みやしびれ等がある場合は、早めに医療機関を受診します。
- 整形外科で診察・検査を受け、症状の部位と経過を具体的に伝えることが大切です。
- 整骨院等を利用する場合も、主治医へ相談し、整形外科での診察を継続します。
- 症状が残っても自動的に後遺障害認定されるわけではなく、治療経過や医学資料等を総合的に検討します。
このページの目次
「むち打ち」とは
むち打ちは一般的な呼び方で、診断書では頚椎捻挫、外傷性頚部症候群、頚部挫傷などと記載されることがあります。首や肩の痛み、頭痛、腕や手のしびれ、動かしにくさなどが問題になることがあります。
症状や必要な検査・治療は人によって異なります。具体的な治療方針は医師へご相談ください。
事故後は早めに整形外科を受診する
事故直後には症状が軽くても、時間が経ってから痛み等を自覚することがあります。症状がある場合は、できるだけ早く整形外科等の医療機関を受診し、事故状況と症状を伝えてください。
受診までの期間が長く空くと、事故と症状との関係が争われることがあります。痛み、しびれ、可動域の制限などは、「首が痛い」だけでなく、部位、左右、動作、日常生活への影響を具体的に医師へ伝えます。
整形外科と整骨院等の利用
診断、画像検査、投薬、診断書の作成、症状固定の判断、後遺障害診断書の作成は医師が行います。そのため、まず整形外科で診察を受け、治療中も定期的に主治医へ症状経過を伝えることが重要です。
整骨院・接骨院等の施術を希望する場合は、事前に主治医と保険会社へ相談してください。医療機関での診察を受けず施術だけを続けた場合や、必要性・相当性に争いがある場合、施術費や慰謝料の算定で問題になることがあります。
治療中に記録しておきたいこと
- 症状がある部位、強さ、左右差、変化
- 仕事、家事、運転、睡眠等への具体的な影響
- 通院日、処方薬、リハビリの内容
- 症状のため休んだ仕事・家事
- 保険会社との連絡内容
通院回数だけで結果が決まるわけではありませんが、受診の間隔が大きく空いた場合には、症状の継続性や治療の必要性が確認しにくくなることがあります。通院方法は主治医と相談してください。
治療費の打切りを告げられた場合
保険会社による直接払いの終了と、医学的な症状固定は同じではありません。主治医へ治療の必要性と今後の見込みを確認し、必要に応じて診断書等による期間延長の交渉、健康保険への切替えを検討します。
むち打ちと後遺障害
治療を続けても症状が残り、主治医が症状固定と判断した場合は、後遺障害等級認定の申請を検討します。むち打ちに伴う神経症状では、事案により12級13号または14級9号が問題となることがあります。
- 12級13号:「局部に頑固な神経症状を残すもの」
- 14級9号:「局部に神経症状を残すもの」
特定の検査を受ければ認定される、一定回数通院すれば認定される、というものではありません。一般に、事故状況、事故直後からの症状、症状の一貫性・継続性、治療経過、画像・神経学的所見、既往症、後遺障害診断書その他の医学資料等が総合的に検討されます。
後遺障害申請の前に確認すること
- 症状固定時期について主治医と相談する
- すべての症状と部位が後遺障害診断書へ正確に記載されているか確認する
- 画像資料、診療録、検査結果等の必要資料を整理する
- 相手方保険会社を通じた事前認定か、被害者側で資料を提出する被害者請求かを検討する
- 認定結果が非該当の場合は、理由を確認して異議申立て等の必要性を検討する
相談時にお持ちいただきたい資料
- 診断書、診療明細書、検査結果
- 画像データ等をお持ちの場合はその資料
- 通院先・通院日が分かる資料
- 保険会社からの治療費打切り通知
- 後遺障害診断書、認定結果通知
- 事故状況が分かる写真・ドライブレコーダー
よくある質問
MRIで異常がないと後遺障害は認定されませんか
画像所見は重要な資料の一つですが、画像だけで結論が決まるとは限りません。症状、治療経過、各種所見、事故状況等を含めて検討されます。
整骨院へ通うと後遺障害認定されませんか
整骨院等を利用したことだけで直ちに結論が決まるものではありません。ただし、医師による診察・検査・経過観察や後遺障害診断書が重要になるため、整形外科での診察を継続し、利用について主治医へ相談してください。
参考となる公的情報
最終更新日:2026年7月23日 執筆・監修:弁護士 北嶋太郎(静岡県弁護士会)
本記事は一般的な情報です。診断・治療は医師へご相談ください。後遺障害認定や賠償結果を保証するものではありません。

