この記事の要点
- 弁護士費用特約は、法律相談料や弁護士費用等を保険で補償する特約です。
- 補償対象、上限額、事前承認の要否は契約ごとに異なります。
- ご自身の保険だけでなく、ご家族や事故車両、火災保険等の契約を確認する価値があります。
- 物損のみ、被害者の過失がない事故でも利用できる場合があります。
このページの目次
弁護士費用特約とは
弁護士費用特約は、交通事故等の被害について弁護士へ相談・依頼したときの法律相談料、着手金、報酬金、訴訟費用等を、契約上の範囲で保険会社が補償するものです。
「相談料10万円・弁護士費用300万円まで」といった内容はよく見られますが、すべての契約が同じではありません。対象事故、被保険者の範囲、支払上限、費用基準、保険会社の事前承認など、実際の約款・契約内容を確認する必要があります。
特約を利用しやすい場面
- 追突事故など、ご自身に過失がなく、自分の保険会社が示談交渉できない場合
- 修理費、評価損、代車費用、過失割合など物損だけが問題となる場合
- 相手方が無保険で、直接交渉や請求が必要な場合
- 治療費の打切り、休業損害、後遺障害、示談案等について相談したい場合
- 損害額が比較的小さく、通常の弁護士費用では依頼のメリットが小さくなる場合
誰の特約を使える可能性があるか
契約によっては、記名被保険者本人だけでなく、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子、契約車両に乗っていた人などが補償対象となることがあります。
次の保険契約も確認してください。
- ご自身やご家族の自動車保険
- 事故に遭った車両に付帯する保険
- バイク保険・自転車保険
- 火災保険・傷害保険などに付帯する法律相談・弁護士費用補償
利用できる範囲は保険会社や商品により異なるため、保険証券、契約者向けアプリ、保険代理店等で確認します。
利用までの流れ
- 保険証券やアプリで「弁護士費用」「法律相談費用」等の特約を確認する
- 保険会社へ事故を連絡し、特約利用の可否と対象範囲を確認する
- 相談したい弁護士がいる場合は、その弁護士への相談を希望する旨を伝える
- 弁護士へ保険会社名、担当部署、担当者、事故受付番号を伝える
- 費用の扱いについて弁護士と保険会社が確認した後、相談・委任を進める
注意したい点
- 自己負担が必ずゼロになるとは限りません。約款上の上限や保険会社の費用基準を超える部分がある場合は、事前に確認します。
- 事前連絡が必要なことがあります。弁護士へ正式依頼する前に、保険会社へ連絡してください。
- 対象外の事故があります。故意、事業用車両、契約上の対象範囲外など、約款上利用できない場合があります。
- 保険等級への影響は契約先へ確認します。一般的な取扱いだけで判断せず、ご自身の保険会社へ確認してください。
保険会社から紹介された弁護士でなければ使えませんか
希望する弁護士へ相談・依頼できることが一般的ですが、保険会社への事前連絡や費用の承認が必要となる場合があります。依頼したい弁護士がいる場合は、その旨を保険会社へ伝えて確認してください。
相談時に準備するもの
- 保険証券、契約内容が分かるアプリ画面
- 保険会社・担当者・事故受付番号
- 事故日、事故状況、相手方の情報
- 保険会社から届いた書類
- 修理見積書、診断書、示談案など相談内容に関係する資料
よくある質問
特約が付いているか分かりません
保険証券や契約者向けアプリを確認し、分からない場合は保険会社または代理店へ問い合わせます。ご家族の保険も併せて確認してください。
物損事故だけでも使えますか
契約上の対象となる物損事故であれば、利用できる場合があります。修理費、評価損、代車費用、過失割合等の相談で活用されます。
参考となる情報
最終更新日:2026年7月23日 執筆・監修:弁護士 北嶋太郎(静岡県弁護士会)
補償の可否・範囲は個別の保険契約と保険会社の確認によります。

