後遺障害の損害は、慰謝料だけではありません
- 後遺障害慰謝料と逸失利益は別の損害項目です。
- 自賠責の金額と、裁判例を踏まえた慰謝料の目安は異なります。
- 等級認定、症状、仕事・生活への影響を個別に確認します。
このページの目次
後遺障害慰謝料が問題になる条件
治療を続けても症状が残り、症状固定後に自賠責の後遺障害等級が認定された場合、一般に後遺障害慰謝料と逸失利益を請求します。「後遺症が残ったこと」と「自賠責で後遺障害に認定されたこと」は同じではありません。
自賠責の認定が非該当でも、訴訟で後遺障害が認められる可能性はありますが、医学的・法的な立証が必要です。
等級別の慰謝料の目安
2020年4月1日以後の事故に適用される自賠責の慰謝料等と、裁判実務で一般に参照される慰謝料の目安は次のとおりです。事故日によって自賠責の金額が異なります。
| 等級 | 自賠責の慰謝料等 | 裁判例を踏まえた目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 1,150万円 要介護1級1,650万円+初期費用500万円 |
2,800万円 |
| 2級 | 998万円 要介護2級1,203万円+初期費用205万円 |
2,370万円 |
| 3級 | 861万円 | 1,990万円 |
| 4級 | 737万円 | 1,670万円 |
| 5級 | 618万円 | 1,400万円 |
| 6級 | 512万円 | 1,180万円 |
| 7級 | 419万円 | 1,000万円 |
| 8級 | 331万円 | 830万円 |
| 9級 | 249万円 | 690万円 |
| 10級 | 190万円 | 550万円 |
| 11級 | 136万円 | 420万円 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
| 13級 | 57万円 | 180万円 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
裁判例を踏まえた金額は一般的な目安で、個別事情により増減します。自賠責欄は慰謝料等の額であり、逸失利益を含む等級別保険金限度額とは異なります。
逸失利益の確認
後遺障害により将来の収入が減ると認められる場合、基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、中間利息控除を基礎に逸失利益を計算します。等級だけで自動的に決まらず、職種、年齢、具体的な就労への影響、症状の内容等が争点になります。
示談前のチェック項目
- 後遺障害等級と認定理由
- 後遺障害慰謝料の算定根拠
- 逸失利益の基礎収入・喪失率・期間
- 将来介護費、装具費、家屋改造費等の必要性
- 過失相殺、既払金、各種保険給付の控除
参考となる公的情報
最終更新日:2026年7月23日 執筆・監修:弁護士 北嶋太郎(静岡県弁護士会)

